AI(エーアイ、人工知能)は、スマホやゲーム、動画サイトなど、私たちの身近なところでたくさん使われています。たとえば、SiriやYouTubeのおすすめ動画、家電の自動操作などがそうです。このページでは、AIにはどんな種類があるのか、そしてどんなことができるのかを、AI初心者にもわかりやすく説明していきます。
AIの学び方には3つのタイプがある
AIは、自分で学んでいく力があります。その「学び方」には主に次の3つがあります。
1つ目は「機械学習(きかいがくしゅう)」です。
AIが過去のデータを使って、自分でルールやパターンを見つける方法です。
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教師あり学習:正解がついたデータを使って学びます。たとえば、「これは犬の写真」と教えて、犬の見分け方を覚えます。
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教師なし学習:正解がないデータを見て、似ているもの同士をまとめたりします。
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強化学習:うまくできたときに「ごほうび」をもらって学ぶ方法です。ゲームをプレイするAIなどに使われます。
2つ目は「深層学習(しんそうがくしゅう)」です。
深層学習(しんそうがくしゅう)
人の脳のはたらきをマネした「ニューラルネットワーク」を使って、もっとむずかしいことを学べるようにした方法です。
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CNN(画像が得意):写真や絵を見て、何が写っているか判断します。
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RNN(音や文章が得意):時間の流れを理解できるので、音声や文の意味を考えるのが得意です。
3つ目は「ルールベースAI(るーるべーすAI)」です。
ルールベースAI(るーるべーすAI)
これはAIが「こういうときはこうする」とあらかじめ決められたルールにもとづいて動くものです。自分では学ばず、人が設定した通りに動きます。
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例:電気のスイッチを「朝6時になったらオンにする」と決めておけば、その通りに動きます。
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最近は、機械学習と組み合わせて使われることもあります。
何に使うかでAIの種類がわかれる
AIは使われる目的によってもいくつかのタイプにわかれています。
言葉を理解するAI(自然言語処理)
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GPTなどのAIは、文章を作ったり、質問に答えたりすることができます。
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翻訳(ほんやく):英語を日本語に、またはその逆に変えてくれます。
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チャットボット:質問すると答えてくれるAI。カスタマーサポートなどで使われています。
画像や映像を理解するAI(コンピュータビジョン)
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顔認証(かおにんしょう):スマホのロック解除などに使われます。
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絵を作る:AIが文章からイラストを作ってくれたりします。
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医療画像:レントゲンやMRIを見て、病気を見つける手伝いをします。
音の世界で活躍するAI(音声AI)
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音声認識:話したことを文字に変えてくれます。
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音声合成:文字を自然な声で読み上げてくれます。
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音楽生成:AIが曲を作ることもできます。
自分で動くAI(自律システム)
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自動運転:AIが車を運転できるようになります。
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ドローン:空を飛んで撮影や荷物運びができます。
賢さのレベルで見たAIの種類
AIには「どれくらい賢いか」によっても、3つのタイプがあります。
弱いAI(よわいAI)
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ひとつのことだけが得意なAI。今使われているAIのほとんどがこのタイプです。
強いAI(つよいAI)
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人間のように、いろいろなことを理解してこなせるAI。まだ開発中です。
超知能(ちょうちのう)
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人間よりもっと頭がいいAI。まだ存在していませんが、将来の話として研究されています。
実際に使われているAIの例
生成AI(ものを作るAI)
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ChatGPT:文章を書いたり質問に答えたりします。
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DALL-E:文章をもとに絵をかいてくれます。
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音楽や動画も、AIが作れるようになってきています。
予測AI(よそくするAI)
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天気予報や、商品の売れゆき、株価の変化などを予想します。
最適化AI(さいてきかAI)
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配達のルートや、仕事のスケジュールを効率よく考えてくれます。
業界ごとに見るAIの活やく
医療(いりょう)
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病気の早期発見や、手術のサポートなどに使われています。
金融(きんゆう)
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詐欺(さぎ)を見つけたり、お金の貸し借りの判断に使われたりします。
教育(きょういく)
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学習アプリやオンライン授業で、ひとりひとりに合った問題を出すことができます。
エンタメ(エンターテインメント)
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ゲームや動画アプリで、好みに合わせたおすすめをしてくれます。
新しいAIの技術にも注目!
マルチモーダルAI
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テキスト(文字)、画像、音声をいっしょに理解してくれるAIです。
エッジAI
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スマホや家電の中に入っていて、ネットに接続しなくても動くAIです。
量子AI(りょうしAI)
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量子コンピュータと組み合わせることで、今よりもっとすごい計算ができるAIです。
まとめ
AIにはいろいろな種類があります。それぞれに得意なことがあって、生活の中で便利に使われています。中学生のみなさんも、今からAIについて知っておくことで、未来の仕事や生活にきっと役立つはずです。親子でいっしょにAIについて考えてみましょう!
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